進化するガラパゴス経営

第2回
パラダイムシフト 日本直撃

本コラムは『フジサンケイビジネスアイ』新しくウィンドウを開きます。へ2009年9月9日より2009年12月23日まで寄稿連載されました。

前回、日本の産業が国内に閉じた“ガラパゴス”状態ではいけないという点を指摘した。ではなぜ企業活動のグローバル化が必要なのか、それは、今後の日本には、世界経済の発展を国内に取り込む力が必要になるからだ。

日本は、急速に進展する少子高齢化問題に直面している。2050年には、人口が約9500万人に減少すると推定されている。

労働人口でみると、約60万人が毎年減少していく。つまり、今後の日本経済には1%のデフレが必然的に織り込まれることになる。そこで、今後の日本の経済活動では、広く海外から利益を獲得することと、諸外国からの直接投資を得やすくすることが必要になる。

例えば、日本の代表的な輸出産業である「自動車・電子部品・鋼材」の輸出額は、「食料・石油」の輸入額にほぼ相当する。つまり、この3つの産業部門で“燃料と食費”を稼ぎ出しているといえる。

しかし、原油高騰と食糧危機が同時に起き、「食料・石油」の価格が2倍に膨らんだとしたらどうなるだろうか。その輸入額は、日本の工業製品輸出額の総額に匹敵する。

すなわち日本の輸出・外貨獲得額の約75%が、生活に必要な最低限のファンダメンタルズを維持するために必要となる。

頼みの米国経済は、金融資本主義の崩壊でより深刻な“双子の赤字”が顕在化した。米国経済の回復には長い期間が必要だろう。

一方、5000ドル(約45万5700円)以上の可処分所得を持つ中間所得層が、今後20年間でアジア経済圏に8億人登場するといわれている。

私は、今日の経済不況は従来のような循環型の景気サイクルではなく、世界経済の構造転換であると考えている。すなわち、米国の巨大消費による世界経済の牽引(けんいん)から、新興国の発展による世界の経済成長への転換だ。

国内市場の縮小と貿易リスク、グローバル経済構造の転換という3つのパラダイムシフトは、われわれ日本人に非常に深刻な問題を投げかけている。

今後の日本は、積極的に「グローバル経営」に乗り出し、外貨を獲得していかなければならない。

“ガラパゴス化”といわれる国内市場のみに目を向けたビジネス、米国市場に依存した経済構造では、到底立ち行かなくなってしまう。

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株式会社 日立コンサルティング 代表取締役 取締役社長
芦邉 洋司

1965年静岡生まれ。
大学卒業後、イーストマン・コダック社に入社。
その後、米国にて大学院に進みMBAを取得。
1992年、KPMG Peat Marwick監査法人ニューヨーク事務所に入社。
監査・税務業務・経営コンサルティングに従事。
1997年、同社日本事務所開設にあたり帰国。
大手ハンバーガーチェーン経営戦略本部を経て、現在日立コンサルティング代表取締役 取締役社長。
趣味は外洋ヨットレース。プライベートな時間は駿河湾にて外洋ヨットのクルーを楽しむ。

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