進化するガラパゴス経営
※本コラムは『フジサンケイビジネスアイ』
へ2009年9月9日より2009年12月23日まで寄稿連載されました。

「超ガラパゴス戦略」は、4つのセグメンテーションから出発する。
商品・サービスが「日本生まれで、日本育ちであるか」「海外生まれで、海外育ちであるか」。さらに、このそれぞれが「国内の市場でのみ活躍しているだけなのか」「グローバル市場で活躍しているものなのか」。これらは「2×2」で4つのセグメントに分けられる。
Aの「引きこもり」セグメントは、日本生まれで日本育ち、しかも、国内の市場にのみ閉じこもっているもの。Bの「パンデミックウイルス」は、日本生まれで海外市場にも支配的な力を持つもの。Cの「海外発グローバルスタンダード」は、海外発で世界的に受け入れられているもの。Dの「開国・洋モノ」は、海外発でありながら発祥地では力がなく、日本の市場でのみ確固たる地位を占めるもの。
このフレームワークのセグメント間を結ぶ5つのベクトルが重要で、これを戦略的ベクトルと呼ぶ。これらのベクトルは各セグメント間の移動の方向と、その戦略的意味を示す。
これらの戦略ベクトルから多様な戦略シナリオが描けるが、ここでは、まず今後の日本の産業力強化のために最も重要な課題である「引きこもり(A)」セグメントから、世界で通用する「パンデミックウィルス(B)」セグメントの状態にもっていく戦略的ベクトル((1))と、Bの状態を保持し、模倣されないための仕掛けづくりについて説明する。
(1)のベクトルの成功例は多い。デジタルカメラやウォークマン、スーパーカブ、陶磁器や醤油(しょうゆ)、マンガ、アニメ、カップ麺(めん)、MUJI(無印良品)、ゲームソフト、プラモデル、貝印包丁などだ。
このベクトルを働かせるための具体的なアプローチとして、「グローバル規格化」「アイソマーケット化」「市場の創造」「競争優位性の確保」といった4つの戦略オプションがある。
なかでも重要なのは、「アイソマーケット」戦略である。これは、ひと言で言えば、「ジャパニゼーション」を世界に浸透させること。日本の文化そのものを海外で現地化させ、日本固有の強みで徹底的に挑むことだ。
一度、それに成功すれば、マネをされず、追いつかれない仕掛けづくりとなるのである。
有力な一例には、生産工程の核心部分をブラックボックス化することがある。成功例は液晶のシャープ、そして、キヤノンだろう。これはさらに他のオプションと組み合わせ、より強固なものを作り出すこともできる。

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1965年静岡生まれ。
大学卒業後、イーストマン・コダック社に入社。
その後、米国にて大学院に進みMBAを取得。
1992年、KPMG Peat Marwick監査法人ニューヨーク事務所に入社。
監査・税務業務・経営コンサルティングに従事。
1997年、同社日本事務所開設にあたり帰国。
大手ハンバーガーチェーン経営戦略本部を経て、現在日立コンサルティング代表取締役 取締役社長。
趣味は外洋ヨットレース。プライベートな時間は駿河湾にて外洋ヨットのクルーを楽しむ。
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核心部分ブラックボックス化
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