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社会課題を解決できる
数少ないコンサルティング会社で、
ビジネスイノベーションを
起こしてほしい

社会イノベーションコンサルティング本部・
ライフイノベーションコンサルティング本部 本部長苅山 真樹

Message01

苅山さんは、日立コンサルティングを創成期から知るメンバーですが、もともとコンサルティング業界を志望されていたのですか?

いえ、海事クラスターのまち、愛媛県の今治出身だったこともあり、大学では造船を専攻しました。
ところが造船不況で造船業界には行けず、ファーストキャリアはシステムエンジニアで、バリバリの技術者をめざしていました。
しかし、システムエンジニアの仕事をするうちに、なぜこのシステムが必要なのかと疑問を持ち始め、上流に進んでコンサルティング業務に就きました。

なるほど、「当初の狙い・目的に立ち返る」というコンサルティングの思考を当時からお持ちだったのですね。しかし、その後もいくつかの会社を経験されたとか。

若気の至りで、インターネットの可能性に魅了され、知人4人とITベンチャー企業を立ち上げたりもしましたが、ITバブルの崩壊であっけなく失敗。
無職となり、借金を返すために外資系のコンサルティング企業に再就職しました。
当時は若くて身軽だったから気楽なものでした。事業立ち上げに際し、資金繰りに金融機関を回ったことも良い思い出です。

写真:苅山 真樹

日立コンサルティングに入社された経緯は?

2002年12月に、日立がエクスペリオ・ソリューションズというコンサルティング企業を米国で買収して、コンサルティングビジネスを日本でスタートするタイミングで、日立と前職で取引があったこともあり、声をかけていただきました。
日立グループの長い歴史で蓄積された豊富な実績、信頼、人財、技術、リソースを活用したコンサルティングを行えるということは、コンサルタントにとってはとても魅力的でした。

その後、18年間、日立コンサルティングのメンバーであり続けた要因は何でしょうか?

それはやはり、他のコンサルファームではできない、日立グループのコンサルファームならではの仕事ができるからです。国家プロジェクトに基づく案件や、ドローン普及に向けた社会デザインと新規事業企画なども一例です。
こういった、社会的意義やインパクトが大きく、大規模でエキサイティングな仕事に携わることができる。
当然難易度が高く、簡単に成果を出せるものではありません。ですが、日立グループのインサイダーコンサルタントとして、当社の同僚だけでなく日立グループの社員の方々と一緒に、汗をかいて知恵を絞って仕事するのが楽しく、今に至っています。

今のお話にも出てきた国家プロジェクト案件について、印象に残っていることや学んだことについてお聞かせください。

はい。もう10年以上も前にさかのぼりますが、あれは私にも大きな転機になりました。
当時は、当社も他のコンサルティングファームと同様、大きなシステム案件を手掛けていたのですが、社会インフラを担うお客さまの大規模システム構築でトラブルが続き、トラブルシュート部隊として私も呼ばれました。
コンサルティングというよりプロジェクトマネジメントで、とくに本番稼働の前後は24時間問題が起こるので、私を含む3人のPMが3交代体制で対応していました。
現在こういった働き方はありませんが、私自身、1000人を超える規模のビッグプロジェクトのPMは初めての経験で、連日の課題解決やお客さま・ステークホルダとの交渉など、コンサルティングスキルが役に立つことがわかり、コンサルスキルを駆使して国家プロジェクトを成功させる・実現させる、という貢献を実感できた貴重な経験でした。

Message02

ここからは、現在の取り組みについてお話を伺います。社会&ライフイノベーションの一環として取り組まれている案件についてお聞かせください。

現在取り組んでいる案件は、これまで日立がリーチできていない、当社が独自開拓した新規アカウントです。
このお客さまも重要な社会インフラ・ライフラインを担われているのですが、国内市場での需要減少や生産年齢人口減少に伴う労働力不足など、厳しい事業環境に直面されており、DXによる生産性と事業価値向上の取り組みが必要という強い危機意識を持たれておりました。
私のこれまでの製造業や社会インフラ事業者様における事業企画や業務改革の経験を買っていただき、お客さまのDX構想と実現戦略を取りまとめました。

特に苦労したポイントについてお教えください。

日本の社会インフラを構築・運営してきた長い歴史のある企業ではありましたが、全社的な事業構造改革や抜本的な業務改革は今回初めての取り組みであり、社長直轄の全社横断組織を立ち上げての議論が行われました。
結果、執行役員クラスまでが納得する将来構想をまとめたのですが、その実現には大きな改革を伴いますから、トップのお墨付きがないと全社には浸透しません。私からも直接経営トップに何度もプレゼンをしましたが、最初は、「そんなこと、できるわけない!」と拒否反応を示されましたね。

全社の方針を一致させるのは難易度が高いと思いますが、どのように対応されたのですか。

私のモットーとして「Do the Right Thing for the Client」という言葉があります。
常にクライアントファーストのスタンスに立つ考えですが、クライアントとは誰だ?と考えたとき、発注主の部長さんだけではなく、社長や株主の目線・課題認識に沿ったコンサルティングサービスを提供しなくてはいけません。
しかし、今回の場合は逆で、社長から「できない!」と言われたからといって「わかりました」と言うのは、企業の将来において正しいことではない。
かなりドラスティックなことを提言してはいますが、将来を担う若手キーマンの方々は、我々が提案する方向を見て進むことの大切さを合意してくれており、言い方と説明の仕方に工夫しながら、次の世代を担う方々の思いを、経営層に伝えていきました。
最近では、皆さんにご理解をいただき、将来を見据えて取り組んでいる足元の施策を応援というか促進してくれています。

外部専門家として正しい意見を言い説得していくことが、コンサルタントとして重要ということですね。ぜひ今後の展開含め、いま、めざしていることについて教えください。

エネルギー、水道、通信、交通、物流、ヘルスケア、建設・街づくり、ホーム&ライフなどの社会インフラ・ライフライン領域において、ロボティクス、ミラーワールド、Web3といった新たな技術トレンドを積極活用することで、「社会課題解決を、新たな事業として企画し、社会実装を支援する」スタイルをさらに活発化させたいですね。
社会インフラを担うお客さまを下支えする日立グループの一員として、我々には本気で真摯に取り組める社会課題案件が多数あります。
社会課題を解決する事業を企画し、戦略を立て社会実装・実現に向けて推進支援する。
当事者意識と責任感を持ち、チームみんなの叡智を集めアイデアを交換し合い、日立グループやお客さまも入った協創とディスカッションを通じてブラッシュアップし、合意して大きく進める。
それが日立コンサルティングならではの、ビジネスイノベーションだと思っています。

最後に、若手コンサルタントの皆さんへのアドバイスをお願いします。

私は一時期、仕事で家にいる時間が少なく、育児を妻に任せてしまったこと、そして子供の成長をあまり見られなかったことがとても心残りなのです。
最近若いメンバーから、結婚したとか子供ができたという話を聞くと、とにかく家庭を大事にした方が良いと、本心から言っています。
コンサルタントにとって、自己研鑽に励むことはとても大事ですが、子供が初めて立ったり歩いたりという瞬間は一度しかありませんから、ぜひ家庭で過ごす時間も大切にしてください。

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