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Message

日本を支える新しいビジネスを。
解決への熱意を原動力に、
柔軟さをもって
チャレンジしてほしい。

金融DX&ITアーキテクチャディビジョン ディビジョン長仲 勇一

Message01

仲さんは日立製作所に入社してから間もなく、2社への出向を経験されています。それぞれの出向中のエピソードなどを伺う前に、まず新卒の入社で日立製作所を選んだ理由を教えてください。

大学時代は理数系を専攻していて、卒業後の進路として、金融か大学院、または日立製作所のようなIT企業か、の3つで迷っていました。理数系出身といっても、私の場合は数字以外に形のないものを考えていくことの方が好きで、専攻していた幾何学で大学院の進学か、企業に就職するなら「何か考える仕事に就きたい」という思いがありました。私が就職をするころはちょうどバブルも終わり、「ITが日本を支えていく」という世の中の雰囲気の中で、当時の日立製作所が掲げていた「IT技術を使って新しいサービス・新しいビジネスを強化していこう」という理念を聞いたとき、「もしかしてこれは私自身がやりたいことに近いんじゃないかな」と共鳴するものを感じて、日立製作所への就職を決断しました。

当時の日立製作所はどのような雰囲気でしたか?

コンピュータの筐体を売る時代から、ITを活用してお客さまのビジネス開発を支援していこうとするビジネスの転換期でした。私は川崎にあったコンサル部門の先駆け的な部署に配属され、日本を支える新しいビジネスを考えよう、という雰囲気に魅力を感じながら仕事をしていました。

写真:仲 勇一

日立製作所入社4年目、キャリアとしては早いタイミングで某銀行(かつて存在した長期信用銀行)へ出向しています。当時の意気込みや、後々のご自身に影響している出会いやエピソードはありますか。

私は、日立との間で始まった人事交流の二代目として、バーゼル対応という金融機関の健全性を維持するための取り組みを行う部署に出向しました。当時その会社には地方銀行などの金融機関をはじめ外部から人材が集まっていて、何か世の中で動きがあると、会社や産業としての意見を求められたりしていましたから、出向期間中は「自分は日立を代表するんだ」という意識を醸成してくれましたし、とても良い刺激になりました。その頃の仲間はすでに卒業している方も多いですが、コンサルや金融機関で重職に就かれた方や金融庁に移った方などもおり、皆さんとのネットワークは大きな財産です。
日立コンサルティングの仲間は、若いうちからいろいろなお客さまと深い接点を持つことが出来ます。同じような思いを持ってもらえたら嬉しいな、と感じています。

さらに2000年からは、日立とマイクロソフト社との合弁会社「ネクスタイド」に参画していますね。

ちょうどマイクロソフト社が個人をターゲットしたビジネスから、一般企業へとビジネスを拡大する時期で、ネクスタイドは当時マイクロソフト社が発表していた.NETという新しい技術をミッションクリティカルな事業を営む企業に導入することを目的としていました。様々な技術について触れる機会をもらいましたし、当時はWEBサービスのアイデアの勃興期で、そこへ集まってきた人たちのアイデアや考え方に触れながら、新しいビジネスを作ろうとする機運の中で仕事をさせてもらいました。

この間ビル・ゲイツさんにもお会いになっている、と伺っています。

合弁会社に来訪されたタイミングでお会いしています。たまたま、当時新しく出た.Net版MCSEなどの資格を取得できたので、アーリーゲッターの一人として、ビル・ゲイツさんからサイン入りのテレビゲーム機をいただいたのです。そのゲーム機は今も実家に保管していまして、ちょっとした自慢話ですね。

この出向期間中に、ほかに印象に残ったことはありますか。

一緒に仕事をした仲間たちからコンサルタントの仕事の一つの形態を学んだと思います。
具体的には、彼らはナレッジを拠り所に仕事をしていて、一生懸命それを蓄えるようにします。一方で製品は3年ごとに新しいバージョンが登場する。身に着けたナレッジが扱う問題は新バージョンでは解消されてしまう。ですから、常に3年先に向けた新しい勉強をしないとサステナブルにコンサルタントとしての職業を営んでいけなくなるのです。仮に8時間仕事があるとして、6時間はお客さまと一生懸命過ごすけれど、あとの2時間は将来のことを考えたり、自分を客観的に捉える時間や勉強に当てたりする。家族との時間もきちんと分けて考えている。彼ら流の時間の使い方の影響を受けました。

日立コンサルティングに入って最初の仕事として取り組んだ証券会社とのプロジェクトも印象に残っていると聞きましたが、いかがでしょうか。

証券会社内にIT戦略支援のチームを置いていただき、IT戦略作成のお手伝いをしました。チームは最大10名に増え、6年以上の長期に渡るプロジェクトになりました。そこでお客さまが使われていた「朝令暮改」という言葉が印象に残っています。証券会社の営業では、かつて朝お客さまに売り推奨しても、夕方には前言を翻して買い推奨せざるをえないときがあったそうです。説明のロジックが崩れ、自己の発言の一貫性が崩れたとしても、環境変化に適応して行動する、自分たちの臨機応変の行動に誇りを込めて「朝令暮改」と呼んでいるのです。それまで銀行を中心に堅実な計画に基づく戦略に接してきた私たちには、とても新鮮で、「答えは一つではない」という柔軟さにもつながる尊重すべき考えだと思いました。

あらためて、さまざまな異なる業界に身を置かれ、学んだことを教えて下さい。

先ずはお客さまの取引先を把握し、商習慣に合わせる対応力です。某銀行(かつて存在した長期信用銀行)の場合、お客さまは企業ですから紳士的で論理的な世界です。一方、証券会社は、リテールの場合は個人投資家で、マーケットは刻々と変化していますので臨機応変な対応が求められます。このように企業には夫々のマーケットで培われたコミュニケーションのパターンのようなものがあるので、それをうまく掴めると、お客さまとのコミュニケーションがスムーズになると思います。
二つ目は、巡り合った環境と人との出会いを活かすことです。証券会社のプロジェクトは当時のお客さまがIT部門長になられたことで一層拡大しましたし、これまで築いたネットワークはビジネスに欠かせない情報源になっています。プロジェクトが成功するために、全力で仕事に向き合うことは必要だとしても、十分ではありません。そもそも、自分の力だけで成し遂げられるものではありませんから、出会いを生かすことが大切と感じています。

Message02

ここからは現在のお仕事について伺います。金融業界のこれからと、金融DX&ITアーキテクチャディビジョンについて教えて下さい。

今後、業界や業態の壁はどんどん薄れていくでしょう。金融サービスをひとつの商品として提供する時代は終わり、今後はお客さまのカスタマージャーニーをとことん見つめて、金融サービスを金融以外のサービスに付加して提供する時代になります。金融機関が生き残るために最も大切なことの一つは、トップラインを増やすための異業種連携と言えるでしょう。
そこで新たな事業連携を実現する上で原動力となるのが、日立のテクノロジー力です。日立コンサルティングがお手伝いしている日立製作所のCO-URIBA(コウリバ)の場合、相手を識別し動作を追跡する機能、遠隔決済機能、在庫管理と既存システムとの連携技術が欠かせません。日立コンサルティングは、日立グループの数多くの技術者や研究者と連携し仕事を進めることが出来ます。この点において当社は他のコンサル会社よりも優位なポジションにあるといえるのではないでしょうか。
金融DX&ITアーキテクチャディビジョンは、サービスデザインだけ、IT実現方式だけと線を引くのではなく、コンサルティングの中で、ITサービスデザインと、IT実現方式の具体化を同時展開できることを付加価値として、他のコンサル会社と差別化していきたいと考えています。

金融DX&ITアーキテクチャディビジョンが求める人物像はどういった方でしょう?

このサービスや手続きのここがおかしい、ここを直したらいいのに、といった問題意識を感じる方で、どうやったら解決できるか実現方法にも関心がある方ですね。解決への熱意が調べごとやお客さまとの折衝の原動力になりますし、実現方法にこだわることで、自分のアイデアにリアリティを伴わせることが出来ます。

チームマネジメントにおいて、仲さんが意識していることはありますか?

自分の関心や専門性を深めたい方、育児や介護との両立を図りたい方、新しい夢の準備をしたい方、今の仕事と向き合う上での各人のベクトルはまちまちだと思っています。できる限り、各人のベクトルを理解したい、そのためには、お互いの思いを言葉にして伝えあえることが大切だと思っています。時間は限られていますし、ついつい私が話しすぎてしまい、とても難しいのですが。

最後に仲さんから、メッセージをお願いします。

正解は一つではない、という思いは大切です。若いころは、お客さまとのかかわり方や、仕事の進め方について、かくあるべきという自分の考え方を強く持っていました。でも、全く違うやり方で円滑にプロジェクトを進めている仲間がいてびっくりしたことがあります。証券会社のプロジェクトのお客さまとの飲み会では、よく「理想の営業の特徴」というテーマの議論になりました。説明がうまい方、雑談が上手な方、お客さまに寄り添う方がいる一方で、全くしゃべらない方、お客さまを罵倒される方でも営業として大変優秀な成績を上げている方がいるそうです。飲み会の結論は、いつも、良い営業の定義はできないね、となります。「これしかない」という思いは、大きなエネルギーを生み出しますが、違うやり方もあるという思いは、仲間への敬意と、自分のアイデアをもうひと押しブラッシュアップするきっかけを与えてくれます。
それから、自分の特性やこだわりは、失敗することでしかわからないことがたくさんあります。仲間とも激しい議論を通じてしか分かり合えないこともあると思います。皆さんには、新しいテーマや役割に厭わずチャレンジしてもらいたいですね。

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