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Pickup Teams #02


究極の「顔パス」社会を創る。
そんな革新的な
プロジェクトが現在進行中。

平井 伸幸NOBUYUKI HIRAI
2017年入社
イノベーション&ストラテジーディビジョン
マネージャー
新卒で非鉄金属メーカーに入社し、プラントエンジニアリングを担当。新たなキャリアを求めて大学院に再入学してデザイン学を専攻し、修了後、2017年より当社に入社。
横井 丈誌TAKESHI YOKOI
2023年入社
イノベーション&ストラテジーディビジョン
シニアコンサルタント
過去、住宅設備機器メーカーと電機メーカーで新規事業開発に携わった経験を持つ。社会に対してより影響力の大きな事業を創る力を身につけたいと、2023年に当社へ転職。
泉原 日奈子HINAKO IZUHARA
2022年入社
イノベーション&ストラテジーディビジョン
アナリスト
前職は公務員。地方自治体で医薬衛生行政の専門職を務めていたが、規制の中での業務に閉塞感を覚え、民間から社会貢献にチャレンジできる場を求めて2022年に当社へ転職。

鉄道会社と協業し、
デジタルアイデンティティの共通プラットフォームを社会実装

平井
いま我々は、社会に大きなイノベーションをもたらすプラットフォームを創り出そうとしています。これは、日立製作所が開発した生体認証技術を用いて、デジタルアイデンティティ、すなわち個人に関する電子化された属性情報を、安全かつ容易に扱える環境を実現するというもの。わかりやすく例を示せば、財布の中に入っているキャッシュカード、クレジットカードやポイントカード、各種証明書などのデジタルアイデンティティを自身の生体情報と紐づけることで、財布を持たずともいわゆる「顔パス」で決済やさまざまな手続きが可能になります。
横井
現在、日立製作所と連携していろいろなユースケースを考案し、当社主導によるPoC(概念実証)も進められています。過去、コロナ禍に対応して政府の全国旅行支援制度が実施された期間には、ワクチン接種証明書をデジタルアイデンティティ化し、都内のホテルでチェックイン時に生体認証で確認する実証実験も行われました。さらに現在、大手鉄道会社と協業し、グループ会社が運営するスーパーマーケットのセルフレジでの年齢確認に、この生体認証を活用したデジタルアイデンティティの共通プラットフォームを活用するプロジェクトが推進されています。
平井
私は、こちらの鉄道会社とのプロジェクトの起ち上げから関わり、システムの要件定義やWebページ等のプロトタイピング、PoCのサイネージデザイン等を担当。そして、まもなくして泉原さんが新たにプロジェクトに参加されたんですよね。
写真:平井 伸幸
泉原
ええ。私はキャリア入社で、最初にアサインされたのがこの案件でした。公務員からの転職で、ビジネスやITに関する知見はほとんどなく、入社後にキャッチアップしながらプロジェクトに関わりました。当初、セルフレジを利用する際に必要な個人情報を登録いただくWebサイトやアプリのUIの設計などを担いましたが、当社のコンサルタントはUXデザインまで手がけるのかと、ちょっと驚きました。
平井
そう。我々はただ机上でサービスを企画するだけではなく、生活者の視点でどうすればそれが使いやすいものになるのか、UIやUXにまで知恵を絞ってビジネスを創り上げていく。そうしたデザイン思考に長けているのも、日立コンサルティングの強みだと思います。そして、PoCなどを通して実装し、社会にプロモーションするところまで関わっていくのも、我々ならでは。横井さんには、その段階からプロジェクトに加わってもらっています。
横井
いまお話のあった鉄道会社のユースケースなどをもとに、生体認証を活用して新たな顧客体験を提供したいという企業を開拓し、このプラットフォームが持つ価値を社会に波及させていくことが私のミッションで、まさにいま0→1の最中です。
写真:座談会の様子

大切なのは当事者意識を持つこと。
その思いの強さがプロジェクトを成功させる。

泉原
このデジタルアイデンティティの共通プラットフォームによる新サービスの創出は、本当に社会的意義のある取り組みであり、入社早々、そこに関われることに大きなモチベーションを持ってプロジェクトに臨みました。しかし、コンサルタント未経験で参加したこともあって、当初はいろいろと苦労しました。スキルの面はもちろん、マインドの面で至らない場面も多々あり、自分の未熟さを痛感。特に最初の頃は「当事者意識」が欠けていて、平井さんをはじめマネージャーの方々から指導いただきました。
平井
コンサルタントというと、第三者的な視点でアドバイスをする専門家だというイメージがありますが、そうした他人行儀な姿勢では、やはりお客さまからの信頼は得られない。土壇場の意思決定の際に、責任を負いたくないと距離を置いているようでは、我々の存在価値はないと思っています。私がデザインを学んだ大学では、「デザインは愛だ」が非公式のキャッチコピーとなっていましたが、その要諦は人の気持ちを先回りすることだと私は理解しています。つまり、どれだけ当事者になりきれるかが重要であり、泉原さんや横井さんにいつも伝えているのは、常にお客さまの気持ちになって、『自分がお客さまならば、次に何を期待するだろうか』と先回りして考え、積極的に提案していくこと。その積み重ねが、お客さまの心をつかみ、大きな信頼につながっていくのだと考えています。
写真:泉原 日奈子
横井
私は過去にメーカーで事業開発に関わった経験があり、その時は当事者意識を持って取り組んでいましたが、コンサルタントというポジションに立場が変わって、マインドの持ち方に少し悩んだこともありました。そんな時、平井さんから「自分が関わるプロジェクトを愛してほしい。お客さまに対して慈愛をもって接してほしい」と指導していただき、ここでは当事者意識を大いに発揮していいのだと気持ちを切り替えることができました。しかも、私たちのチームが手がけるのは、社会のためにぜひ成功させたいと心から思えるプロジェクトばかりなので、進んでお客さまのために力を尽くそうという思いが湧く。こうした環境でコンサルタントとしてキャリアを積めるのは、とても恵まれていると思っています。
泉原
おっしゃる通りで、当事者意識を持てば持つほど、当社のコンサルタントの仕事は面白くなっていくと感じています。まだまだ私自身がお客さまに貢献できることは少ないのですが、そのことを強く意識しながらコンサルティングに取り組んでいます。

このプラットフォームは、
世界を新たなトラスト社会へと導いていくはずだ。

横井
平井さんは、この生体認証を活用したデジタルアイデンティティの共通プラットフォームがもたらす未来の話をよく私たちにされていて、大いに触発されています。
平井
先ほども話しましたが、このプラットフォームで個人のデジタルアイデンティを管理できるようになると、財布など持ち歩く必要はなく、生体認証だけで日常生活が営めるようになる。また、ここに公的な証明書を紐づけられれば、運転免許証やマイナンバーカードなども生体認証で提示できるようになるでしょう。引越の際の各種サービスの住所変更も、プラットフォーム上で一括ででき、きわめて簡単になります。
泉原
そんな世の中になれば本当に便利だと思いますし、このプラットフォームによって社会のあり方も変わるのではないでしょうか。
平井
そう。いまの社会は、自分が自分であることを証明する手段が、実は貧弱なのではないかと思っています。マイナンバーカードなどの身分証明書なしで、自分が自分であると証明することは非常に難しいですよね。しかし、このプラットフォームが社会全体に展開されれば、自身の生体情報からデジタルアイデンティティを呼び出すことで、何時でも何処でも自分を容易に証明できるようになる。すると、社会における人の結びつきが変わっていくと思います。「信なくば立たず」という言葉がありますが、過去には飲食店での「ツケ」など、人と人との信頼関係で成り立っているサービスも多かった。そうした信頼関係を基にした美徳や文化がこのプラットフォームによって復興していくかもしれない。その結果、社会が抱えるストレスの総量が軽減されて、人々の暮らしがより豊かになると思っています。
写真:横井 丈誌
横井
そうした世界を実現するためにも、私としてはこれからプロモーションにさらに力を注いでいきたいと思っています。いまはまだ0→1ですが、この先の1→10、さらに10→100のフェーズにまで関わって、このプラットフォームを社会に浸透させていきたい。当社でコンサルティングを担う醍醐味は、たとえば新規事業の創出支援ならば、事業構想の策定からサービスのデザイン、社会実装、そしてグロースするところまで一貫してリードできること。私もぜひ最後まで成し遂げたいですね。
泉原
今後は、このプラットフォーム上でどんな価値を提供していくかという、アプリケーションが重要になっていきます。私は以前、行政でヘルスケア領域に携わっていて、そこでの経験から医療にも親和性が高いと感じています。ゆくゆくは医療の現場とつなげて、社会に貢献できる仕組みを創ることができればと思っています。
平井
このプラットフォームは本当に大きな可能性を秘めているので、我々がイニシアチブをとってさまざまな企業を巻き込み、未来に向けて新しい価値を創造していきたいですね。

プロジェクトに関するニュースリリース

東武鉄道と日立は、生体認証を活用したデジタルアイデンティティの共通プラットフォーム立ち上げに合意
2023年8月29日:日立(hitachi.co.jp)

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