ページの本文へ

ワーキングマザー対談

ライフイベントを乗り越えて
働きたいと思えるのは、
本人の意志を大切にしてくれる
文化があるから

長谷川 豊YUTAKA HASEGAWA 社会イノベーションコンサルティング本部
ディレクター
×
佐藤 千鶴子CHIZUKO SATO 社会イノベーションコンサルティング本部
5歳3歳の子どもを持ちフルタイムで働く
写真:対談の様子

コンサルの能力を、
部下のためにも惜しみなく使う。
そんな上司がいるから、
安心して働ける。

長谷川
佐藤さんは採用面接から私が担当し、入社以来同じ本部に所属しています。これまで、海外事業の立ち上げプロジェクト等を共に推進してきました。佐藤さんは、入社以来、どのプロジェクトでもプロフェッショナルとして真摯に取り組み、きちんと成果を出し、そしてお客さまからの信頼も高いコンサルタントです。
佐藤さんは、入社から現在まで、結婚・出産等いくつものライフイベントを経てきましたが、その都度、ワークライフバランスを踏まえた働き方を相談しながら、会社としてできる限りの調整をしてきたのではないかと思います。
実際に結婚を機に、仕事時間や業務量の調整等の相談を受けた際は、新しいメンバーの採用、海外渡航業務の移管、事務作業の契約社員への移管等各種調整をした記憶があります。
佐藤
対応スピードがとっても早く、むしろ私がびっくりしてしまうくらいでした。相談してから2〜3か月程度だったと思います。
長谷川
お客さまとの調整や人の採用も、元々私の仕事ですから特別なことではありません。コンサルティングの仕事は、各プロジェクト単位で「必要な能力や経験を持った人」でチーム編成し、ゴールに向かって推進していきます。人がいないと成り立たない仕事です。そのため、採用活動自体は継続的に実施しています。その時は、たまたまタイミング良く、欲しい能力・経験を備えたメンバーが採用できただけです。
とはいえ、やはりそういった調整をするために重要なことは、佐藤さん含め、日ごろのプロジェクト活動を共にする中で、お客さまとの信頼関係が成り立っていることだと思います。それがあったからこそ、理解が得られ、様々な調整がうまくいったということです。
佐藤
その後しばらくして子どもができましたが、多くの方がどのタイミングで会社に妊娠を伝えるか悩まれると思います。私もできれば安定期に入ってから報告したかったのですが、早めにつわりが始まったこともあり、安定期に入る前にご報告・ご相談しました。
写真:長谷川 豊
長谷川
妊娠報告があった際、出産前・出産後の働き方に対する希望や意思を、フラットに聞いたと思います。どうしたいかを聞ければ、適切なサポートができると考えたためです。
その後佐藤さんが産休・育休に入っている間も、3〜4か月に一度程度、定期的に情報共有する時間を作っていました。こちらからは会社の方針やメンバーの近況を、佐藤さんはお子さん連れで生活状況や復職の意思等を伝えるという形で、互いにキャッチアップしていました。
佐藤
私自身は産休・育休中、子どもとしか過ごしていなかったため、大人との会話が大変新鮮でした。ともすると育児中は、社会から孤立してしまい、疎外感を覚えやすいと思います。定期的に会社の情報を伺うことで、自分が会社、もっと言うと社会の一員だということを意識することができました。社会からの疎外感が薄らぎ、安心したのを今でも記憶しています。

幸せな復帰を実現する秘訣は
働き方のチューニング。
本人の意志を大切にした上で、
上司としての提案をする。

長谷川
佐藤さんはお子さん2人の出産と、お子さんのご病気での延長もあり、約4年間育休を取得されていたので、復職の約半年前から、復帰までの段取りを話し合いました。私も当時は育休後の復職に関するノウハウがなかったため、出産・復職経験のある方を佐藤さんに紹介したり、日立グループの復職支援セミナーに本人と共に参加したりしました。
今振り返ると、この復職支援セミナーに参加してみて、復帰する当事者の感覚を知ることができて大変ありがたかったですね。短期的ではなく、長期的な視点でキャリアを見る事が大事であること、自分でも気づかぬうちに「子供がいて時間が短いからできないだろう」と思い込み、勝手に仕事量や仕事の難易度を調整してしまうのは不適切だということも、その時改めて学びました。
そして、復帰後の仕事の調整で一番留意していた点は、仕事と育児の両立という生活の基盤を作ることに重点を置くこと、そのために段階的に仕事に慣らしていくことです。いきなり復職前と同様にプロジェクトにアサインしてしまうと、生活基盤が構築されず、ワークライフバランスが破綻するのではないかと考えました。そのため、最初の1−2か月はプロジェクトの後方支援として調査支援や、社内の事業企画等の実務から慣らしワークを始め、お客さまと直接やり取りをするフロント業務には、少しの間は立たずに仕事ができる形を本人に提案したと思います。
佐藤
そうでしたね。正直最初からいきなりフロント業務に立っていたら、かなり大変だったかもしれません。
長谷川
それは、コンサルタントという職の性だと思います。特に佐藤さんはクライアントとのコミュニケーションに長けており、何とかしてお客さまの為に成果を出そうとするタイプです。産休・育休中は家庭内の生活を中心に過ごしていた所に、突然主役が仕事に代わり「どうバランスを取るかわからない」中で追い詰められると、かなり危険だと思いました。
佐藤
そうかもしれません(笑)。お客さまとのやり取り、クライアントマネジメントはコンサルタントの主なタスクの一つですし、私自身も大好きな仕事なので、本当は復帰後すぐにでもチャレンジしたいと思っていました。ですが、子供の体調不良等予測できない事態が不安である点もお伝えした所、「まず短期的に控えて慣らした後チャレンジしたらどうか」と提案してくださいました。
そしてこの細かな調整中、「こうした方がいい」と押し付けるのではなく、必ず都度「どうしたいか」を聞いて下さいました。これが、私自身の復帰における大切な準備プロセスだったと思います。というのも、他の方々も同様かもしれませんが、復帰後の自分の生活、仕事への思いの変化等、自分でもよくわからず、もやもやとした不安に覆われている状態でした。そんな中、「どうしたいか」を聞かれると、自分が何に対して不安を抱いているのか、どう対応できるかを冷静に整理していくことができました。
写真:佐藤 千鶴子
長谷川
その後業務に慣れてからは、実際にプロジェクトにアサインするプロジェクトマネージャーと佐藤さんと私で三者面談し、目線合わせをした上でプロジェクトに本格的に入る形でした。
佐藤
段階を経て本格的なプロジェクトにアサインされたので、スムーズに復帰できたのだと思います。その後も、長いブランクがあったにも関わらず以前のようにやりがいをもって仕事に取り組めているのは、長谷川さん、また実際のプロジェクトの上司のおかげです。本当に感謝しています。

ライフイベントを乗り越えて
長く働けるのは
アクションまでワンセットで
助けてくれる上司がいるから。

佐藤
弊社だからこそ、ワークライフバランスを取りながら仕事を続けられると感じることがあります。まずは、長谷川さんを始めとする上司の方々が、私個人ではできない範囲のリソース調整を、圧倒的なスピードで実行してくださる点です。
例えば、子供が急病で対応できない等の<短期的なリソース調整>として、対応できない業務の代替者の選定と委任、期限調整を顧客とする、等。<長期的なリソース調整>としては、採用や契約社員等の外部リソースの活用等。一担当からすると、そこまでは手が出せないですよね。広い視野で実際のアクションまでワンセットでカバーしてくれるのが、痒い所に手が届く支援だと常々感じています。

「頑張れるけど、結構きつい」
を相談できる。その安心感が、
ワーママの働きやすさをつくる秘訣。

佐藤
もう一つ、長く働けると思う理由の二つ目は、「頑張れば何とかなる」ことと「頑張ってもどうにもならない」の間にある、「何とかなるけど、結構きつい」を、あまりため込まずに相談できる事です。
突発的に生じる育児のあれこれは、「頑張れば何とかなる」ことが殆どです。けれど、ワーママが働き続けられない・・・と思ってしまうのは、本人も気づかない間に終わりが見えない無理が続き、「何とかなるけど、結構きつい!もう無理!」となってしまうからではないでしょうか。相談する・しないの時点であまり迷わず、相談して良いという場所があるだけで、負担がすごく減るのだと思います。
長谷川
私も、そういう何でも相談できる環境づくりは大事だし、もっと強化していきたいと思っています。私自身で対応できる範囲は限られているので、多面的な相談・ケア体制を構築していくことが重要だと考えています。また、ワーママだけに限らず、妊活・介護、事故・病気の療養などは自分や家族含め、誰にでも起こりうることです。だからとりあえず相談し、皆で助け合って行こうという雰囲気は、とても大事だと思います。
「どうせ無理だ」と最初から諦めずに、「とりあえず相談してみよう」と思ってもらえる環境をいかに作っておくか。そういうことの積み重ねが、皆にとっての働きやすい会社を作ることにつながると思っています。まだ課題は残っていますが、これからも努力を重ねてそういう雰囲気を作っていきたいですね。
佐藤
本当にそうですね。私もこれまで受けたご恩を、しっかり返していきたいと思っています。

Special Movie

ライフもワークも諦めない働き方の秘訣

スペシャルムービー:佐藤 千鶴子
Back to index