Greetingごあいさつ

地球温暖化に起因する気候変動、COVID-19のパンデミック、そしてさまざまな地政学的リスクが、これまで社会を支えてきた価値基準や常識を崩壊の危機に直面させています。また社会全体が持続的に成長するために、意図せずあいまいにされてきた問題も姿を見せ始めています。これらの現象は、世界中の企業の生き残りをかけた戦いに、大きな影響を及ぼしています。特に日本企業においては、自社ビジネスの存続をかけた戦いに加え、ESGやSDGsなど、世界が求める価値基準を取り入れることに奔走する状況も散見されます。日本企業が世界の舞台で活躍するためには、今こそ真の変革を推し進めなければなりません。

これまで日立グループをはじめ多くのお客さまの変革を通して社会イノベーションの一翼を担ってきた日立コンサルティングは、真の変革を成功裏に導くために重要な鍵が二つあると考えています。

一つは変革の主軸です。世界の先進事例や成功したビジネスモデルの適用だけでは、変革の推進エンジンが本格的には回らないことを、私たちは体得してまいりました。それぞれの企業や組織には、それぞれに異なる強み、課題、文化があり、これらが積み重なってアイデンティティとなっています。そこで、このアイデンティティを主軸に据え、お客さまと徹底的に議論を交わして戦略を練り上げることこそ、変革を迅速に推進し、成功という対岸に導く鍵であると考えています。
もう一つの鍵は、イノベーションへの挑戦です。これまで先人が解けなかった社会課題と向き合い、人々に希望や勇気をもたらそうとイノベーションに挑み続ける企業は、社会になくてはならない存在となります。やがてそのことが礎となり、組織も人も力強さとしなやかさを伴って大きく成長し、新たな価値創出を通して変革を成し遂げるのだと、私たちは信じています。

日立コンサルティングは、事業会社での実業経験者、他ファーム出身者、そして日立グループ出身者も含め、多様な人財から成るコンサルティングファームです。創立以来、この多様性をもってお客さまの変革推進を先導し、伴走してきた私たちは、社会イノベーションが未来を照らし続けるために、これからもお客さまとともに次の価値を求めて協創をしてまいります。そこには、テクノロジー活用における信頼性を脅かすコンプライアンスリスクなど、これまでとは異なる障壁も立ちはだかることでしょう。それでも、先端技術と知見を駆使してこれを打破し、社会に、ビジネスに今後不可欠となるAI倫理やELSIの考えを組織全体に浸透させていけるよう、産学官連携でまい進してまいります。

これからの日立コンサルティングに、どうぞご期待ください。

代表取締役　取締役社長 伊藤 洋三