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株式会社 日立コンサルティング

全国的な人口減と都市への人口流入を背景に、地方圏では地域活性化が喫緊の課題となっています。

過去に活気に満ちていた町並みや観光地が勢いを失っていく中で、産業活性化や観光振興のトレンドが芽生えつつあり、国内外から注目を集めています。

日立コンサルティングのミッションは「地域活性化のエコシステム」を作ること。

従来のコンサルティングビジネスの枠にとらわれず、地元住民や企業、観光客、自治体などすべての人々が利益を享受できる仕組みを作るため、全国各地からイノベーションを起こしていきます。

社会を取り巻く状況

日本の総人口は2004年にピークを迎えたとされ、その後緩やかな減少傾向にあります。ある試算では2050年前後には1億人を下回り、2100年頃には4,000万人台にまで減少するという見通しが立てられています。これは今から約100年前、日露戦争や第一次大戦の頃の人口と同じ水準です。(総務省統計局 「日本の統計2011」より)

一方で大都市圏の人口は年々増え続けており、東京都の人口は2011年に初めて1,300万人に達しました。(東京都総務局統計部 「人口の動き(平成22年)」より)

また、2050年時点には人口が現在より半減する地点が全国の64.4%に達すると予測される一方で、三大都市圏(東京・大阪・名古屋)は人口集中が進み、全人口の56.7%に上るとの試算も行なわれています。(2011年 国土交通省 「国土の長期展望」より)

このように社会的なトレンドとして「人口減」と「都市への人口流入」が避けられない状況となりつつある中で、大都市圏から距離のある地方圏においては、将来的に自らの地域が存続していくための活性化の取組みが喫緊の課題となっています。

地方が抱える課題

大都市圏から離れた県や自治体の多くは、地元の学生を抱えきれるキャパシティと多様性を持つ高等教育機関を持たないため、地元で生まれ育った人たちは高校を卒業すると街を出て大都市圏の大学や専門学校へ行くことになります。さらに、それら県や自治体では雇用の創出にも苦労している場合が多いため、学生が卒業しても就職の選択肢が限られるだけでなく絶対的な募集数が少ないという状況が生まれます。その結果「地元に就職したくてもできない」または「都会でより魅力ある仕事をしたい」などを理由に、大都市圏で社会に出ることになります。そして一度都会で家庭を持ち定住してしまうと、その後は長期間にわたり地元に帰ることがなくなってしまいます。

こうして、より大きな都市へ人の移動が繰り返されていく過程で、多くの集落が失われました。少子化の影響も受け小中学校の統廃合が進みました。それまで人々の移動を支えていた鉄道は廃線になり、農地は野放しにされ、過去に栄えた商店街はシャッター街になりました。このように人の営みが少しずつ活気を失い姿を消していく様子は、近代の日本人がこれまで経験しなかったものです。

他方、高度経済成長期からバブル経済期にかけて、日本人が平均的に豊かな生活を送れるようになり、その過程で観光産業が栄えることになりました。熱海や別府など大都市に近い温泉街には大型旅館が林立し、社員旅行や新婚旅行などで多くの人たちが旅行を楽しみました。しかし今では、バブル以前に賑わった温泉街など観光地の多くは活気を失い、いつしかその閑散とした街の光景が社会的に注目を集めるようになりました。在りし日の過去の賑わいは、見る影もなくなってしまいました。

一部では、観光客のニーズやトレンドの移り変わりに上手く対応して活気を取り戻したり、海外からの新たな客層を取り込むことに成功している事例が生まれていますが、多くの観光地では失った客を思うような形で取り戻すことに依然として苦労しています。

ゆるキャラ®とB級ご当地グルメの功罪

近年、地域活性化の活動として地域固有のキャラクターや名物料理を打ち出し、それらを対外的にアピールするという動きが広まっています。いわゆる「ゆるキャラ」と「B級ご当地グルメ」と呼ばれるもので、全国的に爆発的な拡大を見せています。これにより地方圏の文化や歴史がより認知されることになり、観光業を始めとした産業に効果が生まれています。国家として財政難の状況を抱える中で、県や地方自治体が地域活性化のために配分できる予算は限られており、観光施設を作るなどの投資に頼らずにソフトパワーで活性化を図るアイディアは、十分に評価されるべきものでしょう。また、「B級ご当地グルメ」には古くからの食文化に根ざしたものが多数を占め、その多くは地元の食材を利用することから、副次的に地元の農業や漁業のブランド化に貢献するだけでなく、持続的な食生活を支える地産地消の促進にも繋がります。

このようなプラスの面が評価され、数多くの自治体が「ゆるキャラ」をつくり、「B級ご当地グルメ」をPRすることになりました。中には、テレビ番組の企画などで地元の食文化に関係のない全く新しい料理を開発して、大々的に紹介する事例も登場しました。

こうした動きが進んだ結果として、ソフトパワーとしての「ゆるキャラ」や「B級ご当地グルメ」の魅力は薄れつつあります。全国何処へ行っても代わり映えのしないキャラクター、本物かニセモノか判別がつかない名物料理で溢れかえってしまったのです。地域の特性を生かして対外的にアピールするという活動は振り出しに戻ってしまったといっても過言ではないでしょう。

では、「ゆるキャラ」や「B級ご当地グルメ」に頼らない地域活性化はどの様に進めていくべきなのでしょうか?

ここでは「地域の文化的・地理的特性を見直すこと」、「従来から存在する資産・資源を活かすこと」、「国内でなく海外市場に目を向けること」の3点をキーワードとして挙げたいと思います。