社長メッセージ

―変化に対応できなければ、生き残れない―
It is not the strongest of the species that survive,
not the most intelligent, but the one most responsive to change.

経営者として今ほど、チャールズ・ダーウィンの格言を噛みしめることはありません。日本のビジネス界全体が世界規模でのパラダイムシフトという「変化」に直面しているためです。

2003年以降からリーマンショックまでの日本経済の景気回復は、外需に依存する度合いが高まった分、世界経済の後退の影響を受けやすい構造だったといえるでしょう。一方内需に目を向けてみると、日本の人口動態でみれば、2005年をピークに一貫して減少しています。特に労働者人口に注目すると約1%の減少、すなわち約1%のデフレが少なくとも2025年まで織り込まれております。今後の日本経済の発展には世界経済の成長を取り込むことが不可欠であり、ますますグローバル経営の重要さが増すことは疑う余地はありません。

代表取締役 取締役社長
芦邉 洋司

100年に一度といわれる経済不況を経験した世界経済は各国の政策協調によって、日本経済もようやく回復基調に差し掛かりつつあります。金融危機の構造的原因として、2つの過剰、すなわち米国の過剰消費と中国の過剰貯蓄からなるグローバルレベルの不均衡が挙げられます。この不均衡は徐々に解消に向かうでしょうが、その過程で、私は3つのパラダイムシフトが起きると予想しています。最も大きな変化は、新興国市場の成長が世界経済のけん引役となることと、世界的な環境意識の高まりが創出する新市場が主役となるとみています。新興国の成長は社会インフラ需要となって巨大なマーケットを創出するでしょうが、その一方で資源需要圧力と環境負荷圧力が経済成長の制約要素となります。各国はグリーン産業への転換で課題を克服しようとしており、成長をもたらす地域・業種も変化する中で、企業の新旧交代も劇的に進むと考えられます。巨大な新市場の創出は同時に、ビジネス競争の変化を性質、規模の2軸で加速させていきます。すなわち、モノ、サービスといった単体での比較競争から、道路、鉄道、ネットワークなどのインフラ、設備やマネジメントシステム、そしてマネジメントノウハウを一体化した、より総合的なソリューションへ、という変化でしょう。
 最後は、循環型不況とは一線を画したパラダイムシフトです。直感操作型のゲーム機や音楽プレーヤー、統合レジャー型テーマパークなど経験に価値を見出す商品(サービス)の潮流は、モノの消費へ価値を見出し、対価を支払うのではなく、経験に対し対価を支払う流れを顕わにしました。この根底には、「有形」から「無形」へという、価値のパラダイムシフトがあるといえます。
 確かに、行き過ぎた金融資本主義の揺れ戻しは、BISⅢの策定やボルカールールの検討など規制の動きを促していますが、国際会計基準(IFRS)の各国採用に見られるようにグローバル化の流れが止まったわけではありません。3つの顕著なパラダイムシフトは、規模の大小を問わず日本企業に対し「変化」を求めることでしょう。

このような海図なき大航海時代において、皆さまが「変化」に適応しビジネス的成功を獲得するにはどうしたらよいか。他と同じことをしていても成功はつかめません。従来のような経験の積み上げでは図れない時代だからこそ、気がつけば網羅的で緻密化してしまった経営やオペレーションを見直し、創業時には単純で明快だった独自の強みを取り戻すことで、「変化」に立ち向かっていく必要があります。

当社のコンサルタントは、独自の強みを取り戻すご支援はもとより、お客さまとともに悩み、実現に必要なソリューションを創出してまいります。創業100周年を迎えた日立が持つ高いイノベーション力(技術的創造)や組織力、豊富で先進的なソリューションと、当社の知見に満ちたコンサルタントの協創が、必ずやお客さまのご期待にお応えいたします。

代表取締役 取締役社長 芦邉 洋司 (あしべ ひろし)

芦邉 洋司プロフィール

<学歴>

1987年 3月 工学院大学 電子工学部卒
1992年 12月 ニューヨーク工科大学 (MBA / Finance)卒

<略歴>

大学卒業後、イーストマン・コダック社に入社。その後、米国にて大学院にてMBAを取得。

1992年よりKPMG Peat Marwick監査法人にて監査・税務業務、経営コンサルティングに従事。日系企業、アメリカの企業等に幅広いコンサルティングサービスを提供。

1997年、米国より帰国し、KPMGコンサルティング(現PwC)の日本事務所設立メンバーとして貢献。

2007年から日立コンサルティング取締役に就任。

2010年4月1日 日立コンサルティング代表取締役 取締役社長に就任。


プライベートな時間は駿河湾にて外洋ヨットのクルーを楽しむ一方、社がサポートするボランティア団体(JBFA、Hands On Tokyo)にも積極的に参加している。

<著書>

・超ガラパゴス戦略 (WAVE出版)


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