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海外事業買収に伴う
グローバル基幹システムの統合

Case Study

海外事業を買収する日系企業に対し、買収後に大幅に拡大することになる事業領域全体を見据えた
構想策定とグローバル基幹システムの新規構築を支援

Background

日本の総合化学メーカーであるクライアント企業は、積極的なM&A戦略で海外企業の買収を推進していました。この買収では、売り手企業の方が、買収対象事業を幅広くグローバルに展開していたことから、統合するとクライアント企業の該当事業領域が現状より大幅に拡大することになり、統合後のあるべき全体像の再考と、ガバナンスをどう効かせるかが課題となっていました。

こうした状況において、買収後に必要となる基幹業務・システムの統合に関して、その方針を決める準備段階から移行作業完了までのサポートを日立コンサルティングが依頼されました。

Services Provided

日立コンサルティングでは、基幹業務・システムの統合のアプローチ策定を支援する中で、売り手の企業から買収対象事業領域だけクイックに元のままで移行するブラウンフィールドアプローチや、買収側も含めてあるべき姿に一足飛びに移行するグリーンフィールドアプローチなどを比較検討しました。このフェーズで特に注意を払ったのは、日本本社と現地拠点の双方の意見を丁寧に聞くことで、クライアント企業の今後の事業にとって最善の基幹業務・システム統合を実現できるように調整することでした。

また基幹業務・システム構築の実行フェーズでは、海外買収拠点側の業務・システムメンバーや現地導入パートナーとのプロジェクトをマネージするために、日立コンサルティングが現地常駐形式でお客さま立場のプロジェクトマネジメント機能を提供しました。日本本社側の意向の反映や、現地のユーザーや導入パートナーをコントロールする必要があったためです。

ここでも、日本本社の意向と現地の考えをすり合わせる中立かつ対話型のマネジメントによって、常に双方が合意できる落としどころを模索しながらプロジェクトを進めていくことで、事業買収プロジェクトを完遂へと導きました。

Outcome

本プロジェクトでは、TSA Exit契約の残り期限約1年間という期間の中で買収した海外拠点の基幹業務・システムを新規構築したシステムに移行するとともに、買収側の既存拠点もあるべき姿のグリーンフィールドの仕組みを受け入れてもらうチェンジマネジメントの取り組みも行いました。

その結果に対してクライアント企業からは、中立な立場からのプロジェクトのコントロールが買収した海外拠点や買収側の既存拠点で働く従業員の理解を促し、信頼関係に基づく事業の統合を実現できたと評価をいただきました。また、海外拠点に駐在してのプロジェクトマネジメントに関しても、状況変化に応じて取り組みの内容や手順を柔軟に組み替える対応が、基幹業務・システムの計画内の新規構築と現地における定着をリードしてくれたと評価をいただいています。

TSA:Transition Service Agreement

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