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トークセッションDXやX-Techの未来と社会の
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JPHACKS2020 受賞チーム
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日立コンサルティング 若手コンサルタント

日立コンサルティングが2017年度から協賛している国内最大級のハックイベント、JPHACKS。2020年に開催されたJPHACKS 2020ではプラチナスポンサーとして参画いたしました。
今回は初めての完全オンラインでの開催となりましたが、全国から300人を超える学生が参加し、開発テーマである「X-Tech 2020 〜Innovation for ourselves〜」に沿ったプロダクト開発を競い合い、予選、決勝ラウンドと大いに盛り上がりました。当社は、同イベントのHacking Sprintブロックスポンサー賞として設けられた日立コンサルティング賞に、寝坊の改善を社会貢献につなげるサービス「DOW(DonateOrWakeUp)」を開発したチーム「LGTM」を、決勝ラウンドの企業賞に、高速逐次視覚提示を用いてユニバーサルなリーディングライフを社会に提供する「Flash Reading」を開発したチーム「らぁめん五郎」を、それぞれ選出いたしました。

※「Flash Reading」はイノベーター認定作品として、審査委員特別賞も受賞。

JPHACKS2020 受賞チーム

決勝 プラチナスポンサー賞

らぁめん五郎

受賞プロダクト

「Flash Reading」

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らぁめん五郎メンバー
大岸さん、川西さん、織田さん、吉村さん

予選ブロック スポンサー賞

LGTM

受賞プロダクト

DOW(DonateOrWakeUp)

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LGTMメンバー
木内さん、江口さん、ケさん

トークセッション

受賞メンバーたちはどのような着想を得て、それを製品開発につなげていったのでしょうか。
当社は2021年2月18日にスポンサー賞授与式を開催し、授与式の後、
受賞メンバーたちと当社若手コンサルタントによるトークセッションの場を設けました。
テクノロジーをよりどころとして社会課題の解決をめざす若きイノベーターたちの「知の交歓」の模様をご紹介します。

日立コンサルティング 若手コンサルタント

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開発したプロダクトの背景、着想、苦労した点や良かった点

プロダクト開発につなげた「実生活からの気付き」と「社会課題解決への思い」

―初めに、今回受賞された作品の開発背景からお聞きかせください。両チームには 稀有 けう な着想がベースにあったように思います。「LGTM」は、睡眠、募金、SNSといった、本来は交わることのない事象を組み合わせていました。「らぁめん五郎」には、ストレスのないリーディングライフを社会に届けたいという先駆的な発想が根っこにありました。こうしたアイデアはどこから生まれるのか。私たちコンサルタントにとっても大変興味深いところです。

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「LGTM」は、チームメンバーが今回のハッカソンで初めて顔を合わせたということもあり、着想に関しては「印象に残るようなアイデアを出そう」という決めごとの中で、活発にブレストを行いました。事象の組み合わせに関しても「おもしろそう」と思えるものを皆で選択して決めていきました。

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一つ付け加えると、“寝坊”というアイデアは実生活での気付きがヒントとしてありました。友人と授業が始まる前に話をしたいことがあり、朝7時に連絡を取る約束をしたときのことです。寝坊を回避するために事前に「寝坊をしたら罰金」というルールをつくったんです。ただ、お金をどちらかが手にするというのも友人間で健全でないと思い、スマホ決済サービスでの寄付を思いつきました。このときのことが頭にあり、お金を払う対象をハッカソンのテーマに沿って社会課題解決に向けさせればおもしろくなると考え、提案しました。

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―おもしろいですね。ところで両チームとも「初めまして」のメンバーによる開発だったのですよね。そういう点ではコミュニケーションを含めて苦労されたことも多かったのではないですか。しかも、今回は完全オンラインという制約がありました。良かった点を含めてお話しください。

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苦労した点はメンバー間のコミュニケーションよりも、断然開発の方です。ハッカソンの評価項目に実装工数やその精度がありましたので、そこをクリアしたいという思いで頑張りました。張りぼてでも構わない箇所まで実装できたことは良かったですし、また大変でもありました。

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開発に必要となる共通言語をメンバー全員が備えていましたので、オンライン環境で苦労したということはありませんでした。大変だったのは、江口さん同様、実装です。そこをクリアできたのはテーマを「寝坊」に絞ったことが大きかったと感じています。当初はさまざまな習慣改善を構想していたのですが、仮に対象を広げていたらあまりにも要件が複雑になり、実装までたどりついていなかったと思います。そういう意味で、開発テーマを絞ったことが良かった点になります。それによりシンプルなUI設計が評価され、スポンサー賞をいただけましたので。

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―「らぁめん五郎」の皆さんにもお尋ねします。「Flash Reading」にはどのような開発背景があったのでしょうか。

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プロダクトの着想は、SNSで「フラッシュ形式で文章を表示すると早く読める」というつぶやきを見て「これを開発したい」とひらめきました。そして開発を進めていくうえで、閲覧の高速化は文章を読み飛ばしてしまう傾向があるADHD*1の方々のお役に立てることが分かり、ますます、モチベーションが上がりました。
*1 Attention-Deficit Hyperactivity Disorder:注意欠如・多動性障害

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―行動力がすごいですね。チームメンバーとのコミュニケーションはどうでしたか。大変だった点、良かった点をお聞かせください。

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私たちもオンラインでの環境に困ることはありませんでした。JPHACKSの運営事務局の方がオンラインのホワイトボードツールを使用できるようにしてくださったおかげで、アイデア出しもスムーズに行うことができました。良かった点は、オンラインでのプロジェクト完結を体験できたことです。打ち合わせでの共有事項や申し送り、使用したライブラリなどがすべて記録として残りますので、プロジェクトを効率的に進めることができました。次に何か別のプロダクトを開発するときに、生かせる経験だと思います。

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短期間でのプロダクト開発を実現させた「アイデアの選択と集中」

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両チームの皆さん、このたびはおめでとうございました。開発の着想のお話しを伺い、同じ課題解決型の仕事でも私たちコンサルタントと仕事の進め方が逆のようで、とてもおもしろいと感じました。私たちの仕事は、対象の現状把握から入って課題を洗い出し、その課題に対してどのような解決策があるのかをクライアントと歩調を合わせて考案していくことがセオリーになっています。それに対して皆さんは、プロダクトから入っていくスタイルなのですね。そのあとに具体的なターゲットとその課題を抽出していくプロセスを経ておられました。それは恐らく、技術の実現可能性という制約があることを考慮してアプローチされたのだと思います。
皆さんは、今回のハッカソンで寝坊や文章の読み飛ばしの解決策をプロダクトを通して発信されましたが、それとは別に何かほかにも解決したい社会課題をお持ちだったのでしょうか。

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持っていました。ブレストで却下されてしまったアイデアなのですが、ブラウザの拡張機能で自分が入力したテキストに差別発言が含まれていないか検証し、仮にあれば取り除くようなツールを考えていました。基本的に私の場合、自分が欲しいか否かが開発のベースになりますので、市場性という観点でみるとメンバーから賛同を得られにくくなってしまいますね。

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私たちのチームも、候補は三つあったような気がします。その中で、お話くださいました「技術の実現可能性」をベースに「Flash Reading」を選択しました。

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そのほかの候補は、ビデオ会議の拡張機能に関するものやSNS上のタイムラインから自分が目にしたくないワードやテキストを削除する、といったことだったと記憶しています。明確に思い出せませんので、実質「Flash Reading」一択でしたね。

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ありがとうございます。プロダクトの開発前に、テーマの取捨選択をしっかり行っていたのですね。短期間でのプロダクト開発は並進的には行わず「シングルイシュー」が望ましいということが良く伝わってきました。大変勉強になりました。

DX(デジタルトランスフォーメーション)について

DX(デジタルトランスフォーメーション)に変革の視点を。

―さて、今回のJPHACKSのテーマは「X-Tech」でした。皆さんはITの浸透やデジタル技術の活用で暮らしや生活がどのように変化していくとお考えになっていますでしょうか。

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私の場合、DX=「自動化」というイメージを抱いていまして、あらゆる製品、サービスにこの概念が具体化された機能が搭載されていく未来を思い描いています。身の回りの「面倒くささ」がなくなり、私たちの暮らしが豊かになっていくのではないかと非常にポジティブに考えています。イメージは炊飯器です。炊飯器が登場する前は、朝早く起きて火をおこしてご飯を炊いていたのですよね。でも現代は、炊飯器の自動化が進んだおかげで、ご飯を炊くという行為の負荷が相当軽減できています。こうしたことがあらゆる分野で起こっていくのではないでしょうか。

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個人的に、目に見える世界に関しては大きな変化はしばらく起こりにくいのではないかと考えています。例えば、アニメで描写される日々の暮らしは昔の時代設定であるはずなのに、画面を通して見えてくるものは今とあまり変わっていないと思うんです。このような感じで、物理的に見える要素はさほど変化せず、変化が起きるとすれば目に見えない部分、ソフトウェアの領域の可能性が高いと思っています。モバイルやPCの世界は劇的に変化していくと予測しています。

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大変興味深いお話ですね。DXは、実際のビジネスにおいても重要なキーワードになっています。私も現在、DX案件に参画しているのですが、そこで求められていることは従来と明らかに異なっています。単なる業務の自動化、効率化を目的にするDXではなく、価値の創出につながる変革の視点が必要とされています。私は、そうした観点から両チームのプロダクトを拝見させていただきました。いずれも、既存プロダクトの拡張ではなく、これまでにない新しい視点を導入されていましたね。ユーザー心理に向き合い、結果としてユーザーの行動変容を促すものになっています。まさに今、企業がめざしているDXとマッチしていて、とてもレベルが高いと感じました。

テック企業や社会に対する期待

「エコシステム」と「デジタル人財」の育成、開発者が一層活躍できる仕組みづくり

―さまざまな予測を立てられていますね。その流れで、今度は皆さんがテック企業に対してどのような期待をお持ちなのか伺いたいと思います。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は、あらゆる産業にデジタルシフトを促しています。そうした中で、日立などのテック企業は社会からどのような取り組みを求められると思うか、お聞かせください。

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先ほどのテーマのDXとひも付けてお話しさせていただきますね。私は、自分のいる部屋からコーヒーを自動的につくれるようになったらいいな、と思っています。それを実現する方法として、コーヒーメーカーに入っているJVM(Java Virtual Machine)の改良を重ねていくようなことはイメージできるのですが、同時にそれだけでは目的は達成しないことも認識しています。1社だけの技術、アプローチではなく、さまざまな企業や人がDXに関わっていけるためのインターフェースづくりが重要だといろんな場面で感じていて、「インターフェースの規定」を考えていく必要があると思っています。
仮に「インターフェース」が規定されていれば、多様な企業が多角的に打ち手を考え始めると思います。日立やそのほかの大手のテック企業がインターフェースの規定を行えば、ベンチャー企業などが台頭しやすくなるのではないでしょうか。逆に、そのようにならないとITが生活に根付かないし、真のIT社会は到来しないと思います。

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そのとおりです。1社で完結できてしまうDXでは、単体の製品開発で終わってしまいます。社会全体をデジタル化によって豊かにするためには、よりダイナミックな開発システムが随所に構築されていく必要があるでしょう。1つの規格、同じ課題の下に得意分野の異なる企業が連携をして、それぞれが有機的につながりながら持続的に開発を繰り広げていく。いわゆる「エコシステム」が「真のIT社会到来」には不可欠だと思います。

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そうですね。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて「デジタル化」が急速に進み、人々の価値観も変化、多様化しています。かつては見向きされなかったことが受容される、そんな事象がデジタル時代には多くなっていくでしょうし、そうした状況では、皆さんも感じられているように「エコシステム」の重要性がより増していくと思います。

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私は2つの期待を持っています。一つは今、話題に出た1つの企業がすべてを完結するのではなく、複数の企業がソフトウェア上でサービスの連携ができる動きを取ってほしいと思っています。2つ目は、「技術を分かっていることは“カッコイイ”」というような開発者像ができたら個人的にはうれしいです。大企業には開発者のモチベーションが上がっていくための環境設定も期待したいです。

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私は「技術者にやさしくなってほしい」と思っています。個人によるアイデアの芽を積極的にピックアップして大きく開花させていくようなシステムが、今よりもっと広がっていってほしいです。また、これから社会全体でDXを加速させていくことを考えると、技術者不足は回避しなければならないと思います。そのための施策として、例えば小学生からプログラミングや理論になじめるようなサービスの開発を大企業には期待したいです。

受賞メンバーたちのこれからについて

さまざまな経験を通して自らの実力を伸ばし、社会課題の解決に貢献したい

―皆さんからの期待、日立グループの一員として受け止めなければならないと思います。最後に今回の経験をこれからどのように生かしていきたいか、お聞かせください。

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今回、一貫して感じたことは「自分は知らないことが多すぎる」ということでした。大学の1回生ということもあって、自分とチームメンバーとの間で技術や知識に大きな開きを感じましたし、初めはチーム開発が怖かったんです。結果、後追いでもいいから何とか対応しようという思いで知識を習得して、チーム開発に対する恐れも克服できました。今は開発への興味が湧いている状態です。これからはさまざまなソフトウェアに触れ、多くの技術を探り、いいアイデアがあればアウトプットしていく、そんな柔軟な姿勢で開発に向き合っていきたいです。また、いろいろなコミュニティに参加してたくさんのチーム開発に携わっていきたいとも考えています。

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私はコードを書くことが大好きなので、将来はエンジニアになりたいです。今回JPHACKSに参加したことで、単に任されたものを開発するのではなく、自ら社会課題を見つけて解決していきたいという思いがとても強くなりました。

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今回の経験で「エンジニアって良いかも」と思うようになりました。そうしたマインドになったのも、大学院で研究している形態素解析の知見をチーム開発で生かせたことが大きかったように思います。テキストの読み込みと文字列分割の実装に携わったことで開発のおもしろさを知りました。ハッカソンは今回のJPHACKSが初めての参加だったのですが、企業の方々とも知り合うことができるなど本当に良い経験ができたと思います。

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私も開発を続けていこうと思っています。JPHACKSに参加して、アイデア出しから社会課題とその解決策を主体的に導けたことで、知見が一気に広がりました。また企業の方々が自分たちに多くの気付きをくださったことも、開発のモチベーションがハッカソン終了後も保てている要因だと思います。

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私は今回、自分の力がまだまだ足りないことを痛感しました。実力を伸ばしながら、社会課題の解決に貢献できるプロダクトの開発に関わっていきたいです。

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ソフトウェアに興味があるので、この先もプログラムを書く、ソフトウェアをつくるという方向に進むと思います。今はソフトウェアに興味のある人にとっておもしろい時代が到来していると思います。ソフトウェアを医療やエンターテインメントと融合させる、または分野横断的に生産性を上げるために活用していくなど、無限に可能性が開かれている時代だと認識しています。そうした中で、単にソフトウェア開発に携わるのではなく、ソフトウェアとのベストミックスについても自分なりの解を見つけていきたいと思っています。

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皆さん、ありがとうございました。今回、両チームのプロダクトは、どちらもデザインシンキングが機能していたことに感銘を受けました。デザインシンキングの手法はサービスやシステム開発のコンサルティングで活用することがありますが、これは簡単なようで実は難しいのです。今回、皆さんはチーム開発など貴重な経験を積み、実績も出されました。ぜひ今後もユーザーファーストの視点を忘れず、社会課題の解決につながる開発をなさってください。

―ありがとうございました。両チームの皆さんは、コロナ禍でいろいろな制約がある中、さまざまな立場で今回のJPHACKS 2020にご参加くださいました。日立コンサルティングとして心より敬意を表すると同時に、皆さまの今後の活躍を祈念いたします。

私たち日立コンサルティングは、社会イノベーション事業を担う日立グループのコンサルティングファームとして、これからも未来のデジタル人財育成を支援してまいります。