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労働力不足を解決するロボティクスを活用した業務改革
〜実用化への課題と必要な取り組み〜

【はじめに】

現在、労働力不足の解決にロボティクスを活用することが注目されており、人の労働力に頼らない業務の実現をめざした検討が本格化しています。本コラムでは、さらなる拡大が見込まれるサービスロボット(ドローン・配送ロボット等)の活用を主軸に、実用化に向けた見解などを紹介します。

イントロダクション

労働力不足とロボティクス活用の広がり

日本国内の労働力不足は、少子高齢化による生産年齢人口の減少が要因であることが言われ続けている。ここへ新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)の感染拡大による渡航制限・外出自粛・特定拠点の封鎖や濃厚接触者の隔離措置により、さらなる労働力不足をもたらしている。

ロボティクス活用の実用化に向けた課題

各事業者は、労働力不足に対し、ドローンや無人搬送車等のロボティクス活用による現状業務改善や、サービスレベルを向上するための取り組みが本格化している。従来のロボティクスは、大規模資本である自動車産業や電気・電子産業を中心に、限られた企業で活用されていた。また、多様な業務対応が求められるような人手作業代替など、費用対効果が低い領域(食品やサービス産業など)では導入が限定的であった。また、先ほど述べた労働力不足の対策に加え、COVID-19による非接触ニーズの高まりを受け、こういった領域での活用も模索され、実用化に向けた実証実験や試行などが進められている。
空撮・点検分野でドローンが活用されたり、飲食店で配膳ロボットがサービスしたりと一部で実用化されているものの、まだまだ限定的な産業・業務領域での運用にとどまっており、社会実装がなされたという状況とはいえないのが現状である。
社会実装の実現においては、政策上の基盤(制度・ルール設計)整備、実活用に向けた技術レベルの向上、事業・公共インフラ等の環境整備など、ロボティクスを活用する領域ごとに乗り越えるべき課題は多岐にわたっており、公共政策を担う関係者と連携して制度・ルールの整備やインフラ投資などを地道に継続していく必要がある。他方で、各業界で数多くの実証が進められている中で、実用化に踏み出せないさまざまな要因も顕在化しており、事業者としては、自社でのロボティクス活用が実証実験・試行の段階から抜け出せていないのが現状だろう。

本コラムで取り扱うロボティクス

筆者が所属するライフイノベーションコンサルティング本部では、生活に不可欠なライフライン産業の構造的な課題の解決に向け、ロボティクス活用による事業企画や業務改革を推進しており、いくつもの実証(POC)の支援を担ってきた。実証段階から抜け出せていない現状を打開すべく、いくつかのPOCの実績・経験に基づき、実用化に向けたノウハウ・知見として述べることは、ロボティクス活用または既に実証段階から実用化に向けた検討を進める担当者にとって有益になると考えている。
本コラムでは、全産業において導入が進んでいるロボティクス活用において、既に実用化が進んでいる産業用ロボット活用に関する言及は避け、今後拡大が見込まれるサービスロボット(ドローン、配送ロボット等)の活用を主軸に、実証実験を通して得られた知見・ノウハウや、実用化に向けた機体・周辺技術の見解などを述べていく。

本コラム執筆コンサルタント

早島 圭太 株式会社 日立コンサルティング シニアマネージャー

※記載内容(所属部署・役職を含む)は制作当時のものです。

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