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株式会社 日立コンサルティング

日立がめざすFinTech事業の4領域

日立のFinTech事業についてお聞かせください。

長:日立はFinTechの重点対応分野として、次の四領域を挙げています。

一つ目はインタフェース領域で、先述のオープンAPIの開発に加え、すでに提供されているサービスのユーザーインタフェースの使い勝手を改善していく取り組みなどです。二つ目はビッグデータおよび人工知能の分野。日々、膨大に増え続けるデータの解析を人間の経験則だけで対応するのは、もはや不可能です。そこで、統計学的な手法や数値解析の機能を組み入れた人工知能によって、分析を代替しようとしています。売り上げや効率化など、与えられた目標を最大化するために開発された日立の人工知能Hitachi AI Technology/Hや、人間の判断業務の支援に役立つディベート人工知能を中心に、20以上のテーマでPOC(概念実証)を行っているところです。

それから三つ目としては、セキュリティ/認証の分野で、PBI(Public Biometric Infrastructure)を適用した本人認証の仕組みづくりに取り組んでいます。PBIとは、指静脈などの生体情報を一方向に変換することで公開鍵を生成し、これをクラウド環境に格納することで、生体情報を一度登録すれば、複数のアプリケーションで横断的に利用できるというものです。

一例をあげれば、指一本で公開鍵と秘密鍵が生成できるという、堅牢な認証システムの開発です。これが実現すれば、キャッシュカードやクレジットカードに依存せずに、手ぶらでの認証が可能になります。現在、山口フィナンシャルグループ殿に対して、PBI適用による本人認証システムの導入を進めているところです。

最後が金融インフラ領域で、従来の金融インフラの延長線上にあるオープン勘定系のような取り組みに加え、今後、大きく世の中を変えていくと思われるブロックチェーンなどの革新的な技術について研究・開発を進めています。2016年8月には三菱東京UFJ銀行殿と、シンガポールにおいて小切手取引のブロックチェーン適用の実証実験を実施するなど、実用化に向けた課題抽出に取りかかっています。

仲:日立コンサルティングでは、お客さまのビジネスプロセスやお客さまが保有するデータを分析し、AIやRPAが活用できるかどうかの分析や、FinTechサービスを活用したビジネスモデル適用の検討支援を行っています。銀行における営業チャネルの高度化に向けたFinTechの適応や、ノンバンクで蓄積されたデータを利活用した新しいビジネスモデルの検討なども進めているところです。

Robotic Process Automation:機械学習やAIなどの認知技術を活用した業務の効率化・自動化の取り組み

既存の金融機関から見れば、自らの戦略に照らし合わせて、企業の内外にある優れたサービスを取捨選択することで、ビジネス全体の競争力を高めることが期待できます。ただし、現状では業務ごとの境界が不明確なため、FinTechサービスを活用して、環境の変化に迅速に対応することは難しい。まずは業務を可視化し、各ビジネスプロセスを外部のサービスや技術で補完できるのか、あるいは置き換えることができるのかどうか、評価することが重要です。そのためのお手伝いを、日立コンサルティングが担っているというわけです。


図3: FinTechサービスの導入サイクル