スマートフォンやパソコンといった機器、SNSに代表されるソーシャルメディアの普及は、企業と顧客のタッチポイントの増加に加え、人々の価値の多様化へとつながっていきました。この変化で顧客は、サービス・製品の選定から検討、購入決定までを自身で完結できるようになったことから、たとえB to B企業であっても、その先のエンドユーザー、生活者、さらには社会にもたらす新たな価値を想定して製品・サービスを開発・提供することが求められるようになりました。
これまで企業では、顧客の購買履歴や属性などに基づいて顧客関係を管理(CRM:Customer Relationship Management)するマーケティングが行われてきました。ただしこれは、すでに存在するサービスや製品を営業・マーケティング部門がいかに売り込むかという、大量消費を前提としたマスマーケティングの観点であり、人々の価値が多様化する現在では、必ずしも顧客の心や感情にまで訴求できるものではありません。企業は、サービス・製品のコンセプトを企画する段階からビジネスモデルを含めた全体像を顧客起点でデザインする、いわば顧客体験をあらかじめつくり込むことで持続的に顧客価値をマネジメントしていく必要があります。具体的には、顧客の日々の生活を想像し、どこにタッチポイントを設けてどのような体験を提供するのかを検討するところから新たなサービス・製品を創生。さまざまなデータを連携・活用しながら、実現・実装していく方法を探ります。実装後は、顧客ごとのタッチポイントにおけるカスタマーデータを蓄積・分析し、サービス性/ビジネス性の向上に取り組んでいきます。このような顧客体験のデザインと顧客体験マネジメント(CXM:Customer Experience Management)への継続的な取り組みによって、企業は顧客の定着率、顧客生涯価値(LTV:Life Time Value)の向上、スパイラルアップにつなげていきます。
日立コンサルティングは、デザイン思考を取り入れた顧客体験デザイン、DX戦略や事業開発、システム・アーキテクチャー構想策定など、幅広い支援を数多く提供してきました。この実績と経験を基に、日立グループ各社をはじめとする多様なパートナーと連携しながら、お客さまのCXM戦略策定から実現までを支援してまいります。